2014年1月8日水曜日

2014年1月8日(水)

夜の11時をすこし過ぎたところです。
今しがた帰宅しました。
私は自宅が北九州の小倉で、職場が福岡市の天神なので夜は高速バスで1時間20分かけて帰ってきます。
バスは便によって、ほぼ満席だったり、スカスカだったり。
今夜乗った便は割と込んでいて、途中で隣に白髪の男性が座りました。
こんなとき、すこし不運な気持ちになります。
男性は首にかばん、手にはコンビニの袋を下げていて、よいしょと腰かけたあと、「晩メシ食うてないないもんですからすいません」と言って、袋を開け始めました。
食べもののにおいがすると嫌なものです。
でも、男性がかきこみ始めた、玉子丼のようなものは何にもにおいがせず、狭い席の中できゅうくつそうに玉子丼をかきこんだり、はしを止めて、ワンカップ大関をのんだりする様子を感じているうちに、穏やかな気持ちになってきました。
父もきっと、こんなふうに不器用なのでしょう。
父は半年ほど前、がんと分かりました。
手術でとることが不可能なほど進行しており、食事もできず、やせてしまって、6月、7月はもう長くはないのだと覚悟して、でも受け入れられず、落ちつかぬ日々でした。
秋になって、抗がん剤がよく効いてくれて、がんは巣食ってはいますが、日常に近い毎日を送っています。
おかげさまで。
この言葉の意味をかみしめている私がいます。
バスの窓にうつる自分の横顔を見つめていました。
あしたも、いい日でありますように。



筆名:陽子  年齢:35  都道府県:福岡

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