拝啓 どこかの誰かさま
お元気ですか?私は本日、短期アルバイトの面接に行って来ました。
書類の記入、適正検査、筆記試験...先週の今頃はベルリンの街を闊歩していたのに、何この差...と思って、ちょっとヘコみました。。
そう、先週まで私はドイツはベルリンに行っていたのです!
このお手紙を読んで下さっている誰かさんは、ドイツに行ったことはありますか?
私は今回初めて行ったのですが、とても素敵なところでした。寒いけど。
いわゆる、観光スポットにも行きましたが、一番印象に残っているのは
グルーネヴァルド駅17番線です。そこはナチスドイツがユダヤ人を
強制収容所に送った、そのスタート地点となっていた駅です。
”緑の森”という美しい名前の駅には今も、当時の線路とホームが残っており、ホームの端のプレートの部分には何年何月何日、何人のユダヤ人が、どこの収容所へ運ばれたのかが、一つ一つ刻まれています。
1942年10月28日、ユダヤ人100人、ベルリン→テレージン、
1942年10月29日、ユダヤ人100人、ベルリン→テレージン....
数字で見るとただの数字ですが、その1人1人に家族があり、恋人や友人、大切な人がいたであろうことを考えると、言葉が出ませんでした。
私達を忘れないで、平和の大切さを忘れないで、そんな彼らの声が聞こえた気がしました。与えられた平和の中で戦争の痛みを知らずに生きている自分に何が出来るのか、考えながらドイツを旅立った、まさにその直後、フランスで同時多発テロが起きたのでした。
貴方達が亡くなって70年余、今も世界には争いが絶えませんなどと言ったら、グルーネヴァルドから死の道に追いやられたユダヤの人々は何を思うでしょうか?
現代に生きる者としての責任を通説に感じずにはいられない今日この頃です。
長くなり申し訳ありませんでした。どうか貴方が平和でありますように。
筆名:とある旅人 年齢:33 都道府県:北海道
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