先日、帰省先の九州で出席した中学校の同窓会の興奮が冷めていないので、それについて書こうと思う。みんなとはじつに45年ぶりの再会となった。
自分の所属していた3年1組の丸いテーブルに早めに着くと、すでに着席していた4名の同級生と目があった。全員顔のどこかに昔の面影を残している。胸の名札に目をやると、急に当時の各自の振る舞いが蘇ってくる。意識の奥底に仕舞い込まれていた記憶の断片が浮上してくるようだ。
心は15歳の少年だった頃に引き戻されていく。若返ったような、別の世界に引き込まれたような奇妙な気持ちになる。今夜のこれからの時間をどのように振る舞えばいいのだろうか。少年の日に戻るべきなのか、それとも意識の芯のところは大人の自分でいるべきなのか。自分の立ち位置が分からず戸惑ってしまうのだ。
かつての級友たちと話をしていると、立ち振る舞いや物言いが当時のままなのは思わず苦笑してしまう。人はなかなか変わらないものなのだ。若い自分は飾らない自分でしかなかったはずだが、強烈な印象を受けたという人やほとんど記憶がないという人もいて、自分という少年はどのような人物だったか分からなくなる。
周りにいるのは昔の少年少女たちだが、自分だけが過去の自分に戻っていけず、今のままの中年の大人であるようにも感じる。時間と空間が歪んでいるようだが、なんだか心地よい。
過去は変えられないし、失敗を悔やんでも取り返しがつかない。未来を志向して生きるしかない。有名になったり、金儲けをする必要はもうない。自然のままの自分に戻り、生きていけばよいのだ。
3次会のスナックでの別れ際に、今年のお盆に1組だけのクラス会を開催することになった。今回思い出せなかった過去の記憶が飛び出てくるかもしれない。怖いようなワクワクするような気持ちに包まれた。
筆名:のぶさん 年齢:59 都道府県:東京
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